2012年御翼12月号その2

『結婚生活のセカンドハーフ』   デーヴィッド&クローディア・アープ

      

 ヘンリー・ナーウエンは『希望の種』の中で、神が宿っておられる場所としての結婚という概念に関して次のように説明している。「結婚は二人がお互いに生涯引き寄せ合うものと言うよりは、二人が一緒に神の愛の証人となるようにという召しである。……結婚の真の神秘は、夫と妻がお互いを非常に愛したので、お互いの生涯の中に神を見いだすことができるというものではなく、むしろ神が彼らを非常に愛されたので、お互いがますます神の臨在の生きた証人であることに気づかせられるというものである」と。 
 これは、デーヴィッド&クローディア・アープ『結婚生活のセカンドハーフ』(いのちのことば社)の中で紹介されていたものであるが、この本によると、結婚生活も後半になると、夫婦の役割は交替(こうたい)し、規則も変わるかもしれないという。
 人生のこの時期、多くの妻はより中心になり、子育てより使命や仕事に興味を持ち、職業的に活躍しようとする―特に、人生の前半を子供たちの養育と子育てにささげた妻たちの場合そうである。一方、多くの夫は仕事を少し減らして、生活をもう少しエンジョイしようと決心する。子育てや養育されることに大いに興味を持ち始め、男性はより表情が豊かになり感情的に敏感になる。
 この変化は、賢く用いるなら、結婚生活の後半を高めることができるという。シーイは、45歳を過ぎたなら、他の人生が始まるのを考えるべきであると言っている。第二の人生を受け入れるべきである―それは新しい創造性と、より深い意味と、新しい楽しさに導く新しい道である。同じ伴侶との新しい結婚生活を受け入れるように提案する。
 これをしないと、以下のようなことを恐れることとなる。
 結婚34年の夫は次のように述べている。「私の最大の恐れは、私たちが同じ家で別居同然の生活を、死ぬまで続けていかなければならないことです。」また、結婚9年の妻は次のように書いている。「結婚生活が今のまま続くか、もっと悪くなることを、恐れています。私たちは、本当の会話をしたことがほとんどありません。」
 では、結婚生活が後半に入っている徴候は何であろうか。●あなたには、間もなく家を離れる十代の子どもがいる。●両親は年をとっている。●最近、高校の卒業二十五周年の同窓会に招かれた。●運動量がふえても、カロリーの消費は減っている。●あなたは配偶者に何か言おうとしても、言おうと思っていたことを忘れてしまう。
 もし、これらのどれかの徴候に当てはまるなら、あなたは結婚生活の後半に入っているか、あるいは入りつつある。そして、結婚生活の後半は前半と同じか、それよりも長いので、より親しい友人を作ったり、新しい目標を定めたり、旅行したり、新しい興味や趣味を追求したり、新しい仕事を始めたり、成人した子どもや孫に影響を与えたり、いろいろな点でこの世に影響を与えたりする機会を備えてくれる。結婚生活の後半は、人生で最もすばらしい時である。結婚生活の満足度も、子どもが成長して家を出ていった後のほうが、上がって行く傾向にあるという。幸福な結婚生活の持つ性質は、「仲のよさ」「信頼関係」「霊性」「意志の疎通」が多かった。
 しかし、この段階には、難しい問題もある。調査によって、結婚生活の後半には八つのチャレンジがあることが明らかになったという。

 
結婚生活の後半のための八つのチャレンジ
  1. 結婚生活における過去の失望を忘れ、互いに赦し合い、残りの結婚生活を最善のものにする決心をする。
  2. 結婚生活を子ども中心から夫婦中心にする。
  3. 心の底からの感情、喜び、悩みを話すことができる、有効なコミュニケーションの方法を確保する。
  4. 怒りと争いも、二人の関係を作り上げるための創造的方法として用いる。
  5. より深い友情を育て、配偶者と楽しく過ごす。
  6. ロマンチックな愛情をよみがえらせ、楽しみに満ちた性的関係を回復する(よい性生活とは暖かく、親密な愛の関係を表現すること)。
  7. 年老いた両親および成人した子どもたちとの役割を変化させて調整する。
  8. あなたが霊的旅路のどのあたりを歩んでいるかを評価し、互いに対して、また主に対して、より親しくなり、ともに他者に仕えるようになる。(一緒に祈る時の親しさは、その他のいかなる方法によっても得られない親しさである。)

これらのチャレンジに対する、自分自身の答えを見つけるために、次のことを考えよう。

  1. この過渡期のために、どんな分野において調整が必要か(例えば、役割、機能、怒りをとのように処理するか)。
  2. 私たちの夢は何か(個人として、また夫婦として)。
  3. 人生の終わりを迎える時、私たちの結婚生活がどうなっていることを、私は望んでいるか。
  4. 私たちの結婚生活の助言者は誰か(あるいは、誰であり得るか)。
  5. 私の熱中できるものは何か。「夫婦で熱中できるもの」を持っているか。
  6. 私たちの経済的目標は何か。引退の計画は。
  7. 私は自分の健康と健康維持のために何をしているか。
  8. 私たちは楽しみや余暇のために何をしているか。

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